水資源と地政学 - 水をめぐる国際関係から国を理解する
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結論: 水資源の偏在は 21 世紀最大の地政学的課題である
地球上の水の 97.5% は海水で、淡水はわずか 2.5% です。さらにその大部分は氷河や地下水として存在し、人間が利用可能な淡水は全体の 0.01% に過ぎません。この希少な資源の分布は極めて不均等で、ブラジル、ロシア、カナダ、アメリカ、中国の 5 カ国だけで世界の再生可能淡水資源の約 40% を保有しています。水資源の乏しい中東・北アフリカでは、水をめぐる国際紛争が現実の脅威となっています。
ナイル川の水利権争い
ナイル川は 11 カ国を流れる世界最長級の河川ですが、水量の 85% はエチオピアの青ナイルに由来します。エチオピアが 2011 年に着工した大エチオピア・ルネサンスダム (GERD) は、下流のエジプトとスーダンとの深刻な外交対立を引き起こしました。エジプトは人口 1.1 億人の 97% がナイル川の水に依存しており、上流でのダム建設は国家存亡に関わる問題です。「ナイル川の水利権」というヒントが出れば、エジプト、エチオピア、スーダンの 3 カ国に絞り込めます。
アラル海の消滅と中央アジア
かつて世界第 4 位の面積を誇ったアラル海は、ソ連時代の綿花栽培のための灌漑により、面積が 90% 以上縮小しました。アムダリア川とシルダリア川の水がウズベキスタンとトルクメニスタンの綿花畑に転用された結果です。現在はカザフスタン側の北アラル海のみが部分的に回復しています。「消滅しつつある内陸海」というヒントが出れば、中央アジア (カザフスタン、ウズベキスタン) を示唆します。
水資源が豊富な国と乏しい国
一人当たり再生可能淡水資源が最も多い国はアイスランド (約 52 万 m³/人/年)、次いでガイアナ、スリナム、コンゴ共和国です。逆に最も乏しい国はクウェート (ほぼゼロ)、UAE、カタール、バーレーン、サウジアラビアなど湾岸諸国です。これらの国は海水淡水化に依存しており、「海水淡水化に依存」というヒントが出れば湾岸諸国に限定されます。
次のステップ
まず「水資源が極端に乏しい国 = 湾岸諸国」「ナイル川の水利権 = エジプト・エチオピア・スーダン」の 2 パターンを覚えてください。水資源に関するヒントは出題頻度は低いですが、出た場合の絞り込み力が非常に高いため、覚えておく価値があります。「海洋と海の地理」の記事と合わせて、水に関する地理知識を体系的に整理しましょう。